第30回定期演奏会

 

日時:2013年7月21日(日) 13:30開場 14:00開演

 

杉並公会堂大ホール

 

1 男声合唱組曲「父のいる庭」  

 

  津村信夫 作詞  多田武彦 作曲

 

  指揮 鈴木誠二郎

 

  I. 父が庭にいる歌  II. 太郎   III. 早春   IV. 紀の国

 

 

2 日本からの祈り~邦人作曲家によるラテン語作品集~中館伸一選

 

  指揮 中館伸一  ピアノ 金子信子  ソプラノソロ( I ) 兒玉安代

 

  I. Cantate Domino in B♭       松下耕 作曲

 

  II. Ave Verum Corpus(『どちりなきりしたん』より   千原英喜 作曲

 

  III. Kyrie(『Missa Trinitas』より)    佐藤賢太郎 作曲

 

  IV. Cármen Árboris Múndi(世界樹の歌)(『Árbor Múndi(世界樹)』より)

 

佐藤賢太郎 作詩・作曲

 

3 男声合唱による日本抒情歌曲集

 

  林光 編曲

 

  指揮 村松賢治  ピアノ 金子信子

 

  I. からたちの花  II. 箱根八里  III. 中国地方の子守歌  IV. 椰子の実

 

  V. お菓子と娘  VI. 叱られて  VII. ゴンドラの唄  VIII. 早春賦

 

4 男声合唱組曲「水のいのち」

 

  高野喜久雄 作詩  髙田三郎 作曲

 

  指揮 中館伸一  ピアノ 金子信子

 

  I. 雨   II. 水たまり   III. 川   IV. 海   V. 海よ

 

(アンコール)

 

  雨(『水のいのちより』より)(高野喜久雄 作詩 髙田三郎 作曲)

 

指揮 中館伸一 ピアノ 金子信子

 

  梢(『季節と足跡』より)(北川冬彦 作詩  髙田三郎 作曲)

 

指揮 中館伸一

 

  カチューシャの唄(『近代日本名歌抄』より)(信長貴富 編曲)

 

指揮 村松賢治 ピアノ 金子信子

 

(エール)

 

  ディオニュソスの息子たち(関裕之 作詩  多田武彦 作曲) 指揮 鈴木誠二郎

「未来へ繋ぐ歌声」

 

常任指揮者 中館伸一

 

 メンネルコール広友会は今年4月28日(日)すみだトリフォニー大ホールにて開催されたトウキョウカンタート2013オープニング・コンサート「紅白合唱合戦」に出演しました。この日歌ったのは「水のいのち」から数曲、そして対する紅組は藤井宏樹先生指揮、樹の会女声合唱団による「心の四季」から数曲、作曲家髙田三郎の名曲対決となりました。藤井先生といえば広友会の前の常任指揮者で、日本を代表する合唱指揮者です。私は藤井先生の後任となる広友会の常任指揮は(自分にはとても荷が重い)と感じつつも、己を奮い立たせ、3年間突っ走って参りましたが、「紅白合唱合戦」で藤井先生にも中館&広友会の今の姿を観て、聴いて頂き、安心して頂けたと感じ、とても嬉しく有難く思いました。主催者である音楽樹の皆様の粋な計らいに感謝しております。

 

 広友会は歴代指揮者から学んだ音楽、演奏者としての姿勢をしっかり受け継ぎ、常に向上心を持って活動を続けています。本日のプログラム「父のいる庭」には亡き父への想いと、生まれくる子供への愛や希望が歌われます。親から子へ受け継がれるいのちの重み。「日本からの祈り」では邦人作曲家による宗教作品の高い精神性に感動し、また自作の詩をラテン語訳で世界に発信するという試みに未来を感じます。「日本抒情歌曲集」では歌い継がれている名曲に魂を揺さぶられます。これらは我々が大切にしていかねばならない日本人の心の歌です。そして、本日最終ステージはOBも加わり100名近いメンバーで演奏する「水のいのち」。髙田三郎生誕100年の今年、記念すべき演奏会にこの名曲を歌える喜びを噛みしめています。紆余曲折、様々な道のりを経て再生、循環する水の魂を歌った「水のいのち」、広友会も様々な活動をしてきた歴史を振り返り、これからのより充実した活動を願い、未来への夢を託し、歌い上げたいと思っております。

 

 本日ご来場の皆様、昔から広友会をご存じの皆様も、ごく最近広友会を知った皆様も、これからも末永く応援して頂けますよう、心よりお願い申し上げます。それでは、最後までごゆっくりお楽しみ下さい。

「ごあいさつ」

 

代表:伊藤 俊明

 

 早や一年が過ぎて、本日は第30回定期演奏会を迎える運びとなりました。酷暑の中、ご来場下さいました皆様に心から厚く御礼申し上げます。皆様のご支援を励みとして、この一年、活動を続けてまいりましたが、本日その成果を発表する場として、私達の演奏をご披露出来ますことを幸せに存じております。

広友会は今回、第30回定演を迎えました。弛まず歩んで来ました歴史は年輪となって、私達の「いのち」を刻み込んでいます。この「いのち」は音楽によって啓発されたもの、仲間と和する合唱によって育まれたものに他なりません。そして終わることがなく培われて、また新しい年輪に刻み込まれて行くことでしょう。

 

 第30回の節目を記念して、今回は30年の年輪にその名を残したOB諸兄と共に合同演奏のステージを企画致しました。名曲「水のいのち」です。崇高ないのちの甦りを謳ったこの曲は、私達の心を洗い流します。OB諸兄とこの名曲の中で結ばれ、再び広友会サウンドを奏でることが出来ますことを無上の喜びに存じます。そしてまた広友会は永遠の歴史を継いで行きます。

 

 常任指揮者の中館伸一先生には、「水のいのち」と「邦人作曲家によるラテン語作品集」の指揮をお願いしましたが、先生は指導者として卓抜した指導力を発揮して下さいます。練習の中でのお言葉です。私達の情感を高めて惹き付け、音楽の真髄に私達を導くそのお言葉に、いつの間にか私達一同は魅了されます。そして練習は日々新鮮です。中館伸一先生のひたむきなご指導に接し、私達は触発され新しい動機づけをいただきます。 

 

 中館先生と並ぶあと2本の柱は、指揮者・村松賢治氏と団内指揮者・鈴木誠二郎氏です。お二人には団員の希望に沿って選曲して頂きました。『日本抒情歌曲集』と懐かしい多田武彦作品から『父のいる庭』です。緻密な合唱技術と豊かな表情づくりに、熱意溢れる献身的なご指導を頂いております。

 三人の指導者を戴くこの恵まれた環境に応えて、私達はこれからも日々励んでまいります。ご来場の皆様には今後とも変わりませぬご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

 最後になりましたが、指揮者諸先生方とピアノ奏者の金子信子先生をはじめ、身内ではありますがOB合同演奏にご参加くださいました全てのOB諸兄に、心から感謝の意を表します。