第26回定期演奏会 ~創立30周年記念演奏会~

 

日時:2009年7月12日(日) 13:30開場 14:00開演

 

北とぴあ さくらホール

 

1 De profundis(深き淵より)  

 

  Leevi Madetoja 作曲

 

  指揮 藤井宏樹      

 

2 男声合唱のためのオホーツク・スケッチ

 

  寺嶋陸也 作曲

 

  指揮 藤井宏樹

 

  I. 舟漕音頭 II. 網起し(1)  III. 網起し(2)

 

  IV. ソーラン節~いやさか音頭

3 Robert Shaw Chorus Album

 

  Robert Shaw 編曲

 

  指揮 藤井宏樹  ピアノ 金子信子

 

  I. Seeing Nellie Home II. Aura Lee  III. Shenandoah

 

  IV. What shall we do with the drunken sailor

 

 

4 多田武彦男声合唱曲集~北原白秋の世界

 

  北原白秋 作詩  多田武彦 作曲

 

  指揮 藤井宏樹

 

  男声合唱組曲「柳河風俗詩」

 

   I. 柳河 II. 紺屋のおろく III. かきつばた IV. 梅雨の晴れ間

 

  男声合唱組曲「雪と花火」より

 

   IV. 花火

 

(アンコール)

 

  夜ふる雪(『東京景物詩』より(北原白秋 作詩  多田武彦 作曲)

 

  指揮 藤井宏樹

 

  Vive L'Amour(Robert Shaw 編曲)  指揮 藤井宏樹

 

  バラ(Cashida de la rosa)(寺嶋陸也作曲)(初演)  指揮 藤井宏樹

 

(エール)

 

  ディオニュソスの息子たち(関裕之 作詩  多田武彦 作曲)  指揮 村松賢治

「演奏会によせて」

 

音楽監督 藤井宏樹

 

  世にある合唱曲の数々のなかで、男声によって歌われる物は他の混声、女声に比べるとかなり少ない、と思っている人は意外と多いはず。特に日本の男声作品は圧倒的に少ないから無理もないが、これを海外に、そして過去にさかのぼって物色してみると、相当な数や様々な種類が存在していることに気づくはずだ。 

 

  これまで広友会はそうした作品に新たな出会いを求めてきた。そしてその演奏実現のための真摯な態度が、練習の理念であり、技術的な探求と向上に結びついていた。やがてその意識は委嘱という高みにも昇華され、新たな作品が日本に誕生している。こうした歩みは紛れもなく、私たち合唱を愛する者の理想的な姿であり、かけがえのない合唱活動であろう。 

 

  個人の利益や社会的なプライドなどが蔓延しているような合唱団ではおそらくこうしたことは実現できまい、たとえ実現したとしても、そう長くは続くまい。志高く、義の精神を持ってこそ、このような偉大な歩みは実現するのだ。この日本での合唱の歩みがメンバーひとりひとりにどう写っているのかを私は知らないが、それぞれの持つ人生の時間が、合唱活動にかなりの割合で費やされてきたはず、その労をすこしでも労うことができれば、と思う。私にとってのその思いが今日のこれらのプログラムを生ませたと言っていいだろう。 

「創立30周年を迎えて」

 

代表:伊藤 俊明

 

  みなさま、ようこそ創立30周年記念演奏会にご来場くださいまして有難うございます。

 30年を弛まず歩み統けて来ました者のー人として、矢の如く過ぎ去った歳月でありましたが、改めて我が風貌の様変わりを顧みますとき、長い激動の時代であったことを思い起こします。

 広友会の今日に至りますまでの歩みは本プログラムの後段に詳記されていますが、いつの時代にあっても師と仰ぐ先生方の厳しくも愛に満ちたご指導を忘れることはできません。

 それは多田武彦先生、畑中良輔先生と故・北村協一先生、そして現音楽監督・藤井宏樹先生にバトンは譲られてきました。

藤井先生は選曲において、広々とした音楽の世界に私たちを導いてくださり、また響きと流れに徹した歌唱技術によって、音楽の美しさに私達を浸らせて下さいました。

 13年目を迎える創立30周年の今年をもって、一旦、音楽監督の座を退かれますが、長年に亘って賜りましたご指導に対しまして、深甚の謝意を表しますとともに、今後におきましても客演指揮者としてご指導を頂きます特別のご配慮に対しまして、改めて感謝申し上げます。

 

さて、30年の歴史には樣々な出来事がありました。現に今、若者の男声合唱離れと高齢化の二重苦にあって団員数の増員は極めて困難な時代に在ります。

 然し、変わらないもの、それは男声合唱で結ばれた絆、「広友会サウンド」です。創立30周年を記念して「OB合同演奏」を呼びかけましたところ、遠隔地から遥々と、そしてー般公募の方々も含めて、何と50余名が参加して下さいました。ご懇情に心から感謝申し上げます。本日、お里帰りをした仲問とともに広友会の大ファミリーが、時空を超えて「広友会サウンド」を奏で、広友会に新しいいのちを与えます。

 ご来場のみなさま、どうか末永く広友会をお見守りください。

 

最後になりましたが、日常の練習で発声のご指導を賜りました雨宮昌子先生、ピアノで練習をリードして下さいました金子信子先生、そして英語の歌詞付けをご指導いただきました渡辺満奈津先生のご支援に対しまして心から感謝の意を表します。