第24回定期演奏会

 

日時:2006年5月28日(日) 13:30開場 14:00開演

 

すみだトリフォニーホール

 

1 Kostiainenの男声合唱作品から

 

  Pekka Kostiainen 作曲

 

  指揮 村松賢治

 

  I. Yo alimomainen  II. Kapina  III. Kay laulamaan

 

 

2 寺山修司の詩による6つのうた「思い出すために」

 

  寺山修司 作詩  信長貴富 作曲

 

  指揮 藤井宏樹  ピアノ 安次嶺景子

 

  I. かなしみ II. てがみ III. 世界のいちばん遠い土地へ

 

  IV. ぼくが死んでも V. 思い出すために  VI. 種子

 

 

3 NHK全国学校音楽コンクール課題曲より

 

  指揮 藤井宏樹  ピアノ 金子信子

 

  海はなかった          岩間芳樹 作詩  廣瀬良平 作曲  

 

  ひとつの朝           片岡輝 作詩  平吉穀州 作曲

 

  聞こえる            岩間芳樹 作詩  新実徳英 作曲  

 

  風になりたい          川崎洋 作詩  寺嶋陸也 作曲

 

 

4 男声合唱とピアノ(四手)のための「遊星ひとつ」

 

  木島始 作詩  三善晃 作曲

 

  指揮 藤井宏樹  ピアノ 安次嶺景子 金子信子

 

  I. INITIAL CALL II. だれの?  III. 見えない縁のうた  IV. バトンタッチのうた

 

(アンコール)

 

  雨後(『追憶の窓』より)(三好達治 作詩  多田武彦 作曲)

 

      指揮 藤井宏樹

 

(エール)

 

  ディオニュソスの息子たち(関裕之 作詩  多田武彦 作曲)

 

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この演奏会のCDを1枚1,000円(送料別途)で一般の方にも販売中です。

 

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「演奏会によせて」

 

音楽監督 藤井宏樹

 

 指揮者の北村協一先生が亡くなられた。戦後日本の合唱界は、いわゆる高度成長、経済発展のいっぽうでこれも急速に発展し、世界に類を見ない、ユニークかつ豊かな実りを作り上げたと言っていいだろう。

この中にあって、北村氏は孤高の存在、と言える人物であった。今日の合唱界の大きな成長の理由は、連盟などの組織的な複合が拡大し、またアマチュアというくくりの中でも、確かなバックボーンを持ちながら広がり、生きてきた事によるものだろう。今もそれらは、大きなコミュニティとして、立派に機能している。コンクールの全国的な規模、小学校からシルバーと呼ばれる世代まで、ほとんどひとの人生を彩るだけの世界を合唱は保証する。

 

 ところで、グリーという言葉は元々、古英語のglivなどからきた、音楽という意だそうだが、イギリスで生まれたグリーはマドリガルよりも非常に簡潔ですっきりした作品のように私には感じられる。こうした作品、を歌う会がグリークラブと呼ばれていたそうだが、アメリカの大学などで発展したグリークラブの、カウンターテノールを上声に持ち、作品を歌いあげるというスタイルはもちろん、イギリスがその源である。またグリークラブでは音楽だけでなく、集まった人同士の会話や飲み食いの趣味などもかなり重要だった。

 

 日本におけるグリー活動の一翼を担い多くの人々を惹きつけてやまなかった氏の功績は、計り知れないものがあるだろう。私は全く氏と交流をもつことはできなかったのだが、昨年東京都合唱祭に出演したその演奏に深い感銘を覚えたのを記憶している。作品の解釈、演奏のスタイル、合唱団のサウンド、どれも私とは、違う世界であり、自分には到底出来ることではないのだが、ある憧れのようなものをその演奏から感じたのだ。丁度、自分では決して買おうとは思わない服を、格好よく見事に着こなした人に会ったような、そんな感じだ。

 

 氏は広友会とも、親しい関係だったと聞いている。ここで氏の冥福を祈り、私も含めて、新たな広友会の一歩としたい。合掌。

「ごあいさつ」

 

代表:伊藤 俊明

 

 若葉が薫るこの日、第24回定期演奏会を迎えました。ご多用の中、ご来くださいましたみなさまに厚く御礼申し上げます。

 

 年に一度の演奏会を欠かさず続けて24年。これは広友会の年輪でもあり、また草創期からの団員にとりましては我が身の年輪でもあります。

 喜寿から学生まで、爺と孫、会社で言えば相談役から新入社員までが、心一つになれる集団、これが今の広友会です。シニアが多いことが気になりますが、老いて輝きたい彼らです。

 

 しかし、この超世代が共感の世界に浸ることができますのは、過去も今も、優れた先生方のご指導の賜ものであることは言うまでもありません。

 草創期から成長期にかけて、特別の思いで多くの作品を創ってくださいました多田武彦先生、音楽を語ってその深みに私たちを導いてくださいました畑中良輔先生、そして多田作品を中心に男声合唱の魅力を演じてくださいました故・北村協一先生、これらの先生方の愛情溢れるご指導の日々を思い起こし、感謝の念を禁じ得ません。

 ここに去る3月、天に召されました北村協一先生を偲び、心から哀悼の意を捧げます。

 

 さて、発展期の今、藤井宏樹先生のご指導は、早や10年目を迎えます。この間、知らず知らずの中に、音楽への取り組み方にも新しい方向が見えてきました。多彩な選曲による音楽の世界の広がりと、響きと流れを土台とした音楽づくりは、発展期の際立った方向付けのように思います。

藤井先生の音楽づくりには、その表情の中に、ごく自然に見えて新たな発見があります。こんな感性が自分にあったのかと。生きている実感です。

 

長い年月を振り返りつつ、本日の演奏に聊かの進歩があれば、と願っています。

 

 最後になりましたが、藤井先生はもとより、ピアノ伴奏者の安次嶺景子先生、通年に亘ってピアノで練習を支えてくださいました、同じくピアノ伴奏者の金子信子先生、そしてヴォイス・トレーナーの雨宮昌子先生に深甚の感謝の意を表します。